
インシデント管理は、ITサポートやサービスデスクで発生するトラブル・障害を迅速に解決し、サービス停止を最小限に抑えるための重要なプロセスです。ビジネスのデジタル化が進む今日、インシデント管理の効率化は企業の競争力に直結します。
本記事では、インシデント管理の基本概念からITILフレームワークに基づく最適なプロセス、24時間サポートの実現方法まで、実践的に解説します。
インシデント管理とは
インシデントの定義
インシデントとは、「サービスの復旧を必要とする意図しないサービス中断や品質低下」を指します。
インシデントの例:
– システム障害・エラー
– アプリケーションの不具合
– ネットワーク接続不良
– ハードウェア故障
– パスワード忘れ・アカウントロック
– プリンター出力不良
インシデント管理と問題管理の違い
ITIL(IT Infrastructure Library)では、インシデント管理と問題管理を明確に区別します。
- 目的: インシデント管理はサービス迅速復旧、問題管理は根本原因解決・再発防止
- 焦点: インシデント管理は症状対応、問題管理は原因追求
- 時間軸: インシデント管理は即座の対応、問題管理は中長期的な分析
- 担当者: インシデント管理はサービスデスク、問題管理は専門スタッフ
インシデント管理は「早く直すこと」、問題管理は「二度と起こさないこと」に焦点を当てます。
ITILに基づくインシデント管理プロセス
プロセスの7つのステップ
1. ログ記録
インシデントの発生を記録します。発生日時、報告者、影響範囲、優先度などを記録します。
2. カテゴリ分類
インシデントの種類(ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなど)を分類します。
3. 優先度判定
緊急度と影響度から優先度を決定します。
- 緊急度: ビジネスへの影響の緊急度
- 影響度: 影響を受けるユーザー数・業務範囲
4. エスカレーション
一次対応で解決できない場合、専門チーム(サーバー、ネットワーク、アプリケーションなど)にエスカレーションします。
5. 解決・復旧
インシデントを解決し、サービスを復旧させます。
6. クローズ
ユーザーに解決確認を取り、インシデントをクローズします。
7. 振り返し
重大なインシデントについては、事後レビューを実施し、再発防止策を検討します。

インシデント管理のKPI
主要指標
| KPI | 意味 | 目安値 |
|---|---|---|
| MIBFR(Mean Time Between Failures) | 平均故障間隔 | 延びるほど良い |
| MTTR(Mean Time To Repair) | 平均修復時間 | 短いほど良い |
| SLA達成率 | 目標対応時間内の解決率 | 95%以上 |
| 一次解決率 | サービスデスクでの解決率 | 70%以上 |
| 放棄率 | 放棄された問い合わせ率 | 5%以下 |
CS KPIとして、これらの指標を定期的に監視・分析します。
インシデント管理の課題
課題1:対応時間の長さ
対応時間短縮は常に課題です。原因には以下があります。
- 情報収集に時間がかかる
- 適切な担当者へのエスカレーションが遅れる
- 過去のインシデントからの学習不足
- ナレッジベースの不備
課題2:エスカレーションの手間
一次対応者はすべての知識を持っていないため、適切な専門チームへのエスカレーションに手間がかかります。
課題3:24時間対応
夜間・休日にインシデントが発生した場合、24時間サポート体制の整備が課題です。
GBase Supportなら、インシデント管理の課題を解決できます

GBase Supportでインシデント管理を効率化
GBase Supportは、AIナレッジベースと自動応答で、インシデント管理の課題を解決します。
■ なぜGBase Supportがインシデント管理に有効か
- 即座の回答提案: 過去のインシデントから解決策を瞬時に提示
- 適切なエスカレーション: AIが最適な担当者を提案
- 24時間対応: AIが夜間・休日も対応
- 知識の蓄積: 対応履歴が自動的にナレッジ化される
■ 導入ステップ(STEP 1〜3)
STEP 1:インシデントデータの取り込み
既存のインシデント管理システムのデータや、過去の対応履歴をGBase Supportに取り込みます。

STEP 2:AI応答の学習
インシデントの分類、優先度判定、解決策の提案など、AIに学習させます。

STEP 3:自動対応の開始
簡易なインシデントはAIで自動対応し、複雑なインシデントのみ有人で対応します。

■ 導入事例:MTTR60%短縮
ある企業でGBase Supportを導入したところ、以下の効果が得られました。
- MTTR: 4時間→1.6時間(60%短縮)
- 一次解決率: 50%→75%(25ポイント向上)
- SLA達成率: 85%→96%(11ポイント向上)
- オペレーター負荷: 50%削減
インシデント管理ツールの選び方
ツール選定の5つのポイント
1. ITIL準拠
ITILフレームワークに準拠したプロセスをサポートしているツールを選びます。
2. インテグレーション
既存システム(監視ツール、 Active Directory、 など)との連携可否を確認します。
3. モバイル対応
スマホ・タブレットからの対応、プッシュ通知機能があると便利です。
4. レポーティング機能
ダッシュボード、レポート機能が充実しているツールを選びます。
5. 導入・運用コスト
ライセンス費用だけでなく、導入・カスタマイズ・運用のコストも考慮します。
インシデント管理ベストプラクティス
1. 自己解決を促す
セルフサービスポータル、FAQ、チャットボットなどを整備し、ユーザー自身で問題解決できるようにします。
2. 標準化されたプロセス
すべてのインシデントが同じプロセスで処理されるよう、手順を標準化します。
3. 知識管理
対応履歴、解決策、ベストプラクティスをナレッジベースに蓄積し、全スタッフで共有します。
4. 定期的なレビュー
重大インシデント、頻発インシデントについて定期的にレビューし、プロセス改善を行います。
サービスデスクの役割
サービスデスクはインシデント管理の一次窓口として重要な役割を果たします。
サービスデスクの主業務
- 一次対応: すべてのインシデントの最初の窓口
- 記録・分類: インシデントのログ記録、カテゴリ分類
- 簡易な解決: パスワードリセット、再起動など
- エスカレーション: 専門チームへの振り分け
- 進捗管理: エスカレーション後の進捗確認、ユーザーへの報告
サービスデスク効率化
GBase Supportを導入すれば、サービスデスクの対応時間を短縮し、一次解決率を向上できます。

よくある質問(FAQ)
Q1: インシデントとリクエストの違いは?
A: インシデントは「サービス中断」、リクエストは「サービス提供(新規アカウント作成、ソフトウェアインストールなど)」を指します。リクエストは通常、計画された対応であり、緊急度は低めです。
Q2: 優先度の判定基準は?
A: 緊急度と影響度の組み合わせで判定します。高緊急度×高影響度が最優先(P1)、低緊急度×低影響度が最優先度低(P4)となります。
Q3: 24時間対応を実現するには?
A: シフト交代やコールセンター外注も方法ですが、GBase SupportのようなAIツールを導入すれば、夜間・休日はAIで対応し、日中は有人で対応するハイブリッド型がおすすめです。
Q4: インシデント管理ツールは必要ですか?
A: インシデント数が多く、複数人で対応する場合は必須です。ツールがないと、対応漏れ、重複対応、進捗管理不全などの問題が発生します。
Q5: MTTRを短縮するには?
A: 適切なエスカレーション、過去のインシデントの活用、オペレータートレーニング、ツール導入などが効果的です。GBase Supportなら、過去のインシデントからAIが解決策を提示するため、MTTR短縮が可能です。
Q6: 重大インシデント発生時の手順は?
A: 1)関係者への周知、2)専門チーム結成、3)対策実施、4)進捗報告、5)復旧確認、6)事後レビュー、の順で対応します。
Q7: インシデント管理と変更管理の関係は?
A: 変更管理は「計画されたシステム変更」を管理するプロセスです。変更が原因でインシデントが発生した場合、両プロセスが連携して原因究明と再発防止を行います。
まとめ:インシデント管理はビジネス継続に不可欠
インシデント管理は、ITサービスの可用性を維持し、ビジネスの継続性を確保するために不可欠なプロセスです。ITILフレームワークに基づいた標準化されたプロセスと、GBase SupportのようなAIツールの活用により、MTTR短縮とサービス品質向上の両立が可能です。
AI活用で自動化を進め、人的リソースを複雑なインシデントや問題管理、予防活動に集中することで、ITサポート部門の価値を最大化できます。
